じんわりと口どけるふわふわのパンケーキ。国内外のパンケーキを食べ歩く「たっちゃんずパンケーキ部」のもんちゃん。いわく、「メレンゲを贅沢に使ったふわふわ食感は、ここ日本で誕生したパンケーキの形。一言でふわふわといっても、素材や焼き方にこだわるからこそ、どのお店の生地も個性的なんです」と話します。 今回は“ふわふわ”を語るうえで外せない2品を紹介いただき、一緒にお店を訪れました。もんちゃんとそのこだわりをひもときながら味わいます。
大阪発の絶品スフレパンケーキ。
ふわっと優しい味わいの秘密とは?
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バーンサイドストリートカフェの「クリームチーズとMIXベリー」(税抜き1400円)
約6年にわたりパンケーキ店を食べ歩く「たっちゃんずパンケーキ部」のもんちゃん。今回一緒に訪れたのは、大阪にあるパンケーキの名店「エルク」の姉妹店としてオープンした「バーンサイドストリートカフェ」です。「この口当たりが忘れられない」ともんちゃんは話します。
「もともと日本では、ホットケーキが浸透していましたよね。2013年に海外発の“パンケーキ”というメニューが上陸しはじめて、ホットケーキに変わるまったく新しいものとして注目を浴びたのかなと感じています。私がおまる部長とパンケーキ店巡りをはじめたのも、ちょうどその少し前でした。まだまだ人気店は行列していますが、最近はブームが落ち着いて、定着してきた印象です」(もんちゃん)
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「撮影する際は真横や少し斜め上からと、パンケーキの目線に合わせて撮っています。真横から撮影すると臨場感が出るんですよ。ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)」
前編で「いまは素材やその味わいにこだわるお店が、人気店として根強く残っている」と話していたもんちゃん。「使っている小麦粉によってもまったく味が違いますし、その生地に合うトッピングを模索して提案するなど、食材一つひとつにこだわることで、おいしさがぐっと変わってくると思います」ともんちゃん。
「ここのパンケーキは、はじめに感じる弾力とは裏腹に、ふわっとなめらかな口あたりが特徴です。トッピングも多彩なうえ、定番の『ホワイトスフレパンケーキ』(税抜き1220円)をベースに種類は約6種! 違うものを頼んで、シェアするのも楽しいお店なんですよ」
「おじゃまする際は一回転目で入れるよう、オープン前に並ぶことが多いですね。ここは9時半(平日)とオープンが早いので、食べた後に11時オープンのお店に行けるのもいいところ」(もんちゃん)
実は同店、去年の9月に生地をリニューアルしています。メレンゲの量を増やし、ベースを豆乳に変えることで、よりふわふわ感を追求したそう。「より罪悪感なく、ヘルシーに食べられるように工夫しました。卵や素材の種類など、根本的なところから見直すことで、トッピングやソースと馴染みよくなりましたね」と、店長の杉崎さんは話します。
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生地を型に流し込み、蓋をして数分。蒸すようにして焼き上げます
店長の杉崎さんいわく「その日の気温や湿度によって焼き上がりの加減も違うので、じっくり面倒をみながら焼いています。それくらい、パンケーキって繊細な食べ物なんですよ。1回目はキレイに焼けても、2回目はうまく火が入らなかったり」
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裏返すと、程よく焼き目が
でき上がったパンケーキを前に、「あったかい状態で出てくるというのも、パンケーキが愛される理由だと思っていて。温かなできたての状態で食べられるスイーツって、実はそんなにないんですよ」ともんちゃんもにっこり。
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「この高さが魅力的! 持ってくる人は緊張するだろうなぁ〜(笑)」
「私がチーズ好きというのもあって、こちらを選びました。特にこちらは、生地と上にのるクリームチーズ、添えられたベリージャムとのバランスが絶妙。レアチーズのような、濃厚でなめらかな味わいが楽しめます。真っ白な生地も美しいですよね」(もんちゃん)
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真ん中から割ると、よりきめ細かさとふんわり感が見て取れます。「断面が見たくて、真ん中から切るんです。どんな断面なんだろう?って気になりません?」(もんちゃん)
口に入れると、優しい小麦の風味とコクのあるチーズソースが一体に! ブリュレされた表面の甘みをアクセントに、果肉感あるベリーのジャムとじんわり絡み合います。
さて、続いては「『こんなの見たことない!』と驚いた一品! いまも季節限定ものなどを中心に週に2、3回は食べていますが、これは印象深かった」という一皿。真っ黒な色味は、なんと竹炭です。
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ベースの生地に混ぜ込んでいるのは、なんと竹炭!
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炭ブラックとホワイトチョコソース(税抜き1580円)。イチゴシャンティが添えられている。甘酸っぱいドライイチゴのパウダーが入っています
アンチエイジングなどの美容効果が期待できる竹炭を、大胆に練り込んだそう。抹茶パウダーやあずき、いちごシャンティを添えて、和風のパンケーキに仕立てています。
「ほかにはない特別感のある生地。竹炭を食べること自体なかなかないと思うので、ぜひおすすめしたかった品です。黒いし固そうって思いますが、ほかの生地と同じく、なめらかで口当たりもいい。食べていると竹炭の舌ざわりも感じて、不思議な感覚を味わえますよ」
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ホワイトチョコソースを手に、特技の「メープル流し」も披露していただきました! お上手
ふんわりした生地と一緒に食べると、さらりと甘いソースにあずきの香りがふわり。トッピングがさまざまに乗るため、飽きずに食べ進められるのもうれしいところ。
ふんわり温かなパンケーキは、身も心も包んでくれるスイーツ。そんなところが、一過性のブームでは終わらず、根を張り定着した理由なのかもしれません。
Written by Wako kanashiro
Photos by Masayuki Ichinose
もんちゃん
東京を中心に、日本から海外のパンケーキを食べ歩くブロガー2人組「たっちゃんずパンケーキ部」のメンバー。おまる部長と共に2012年から活動を開始し、ブログや各SNSで発信する臨場感あるパンケーキレポートで人気に。今までに500店舗以上を訪れ、ブログの月間最高アクセス数は150万PVを誇る。もんちゃんは自分のとっておきのお店を見つけ、とことん攻めるタイプ。手先が器用なことから、パンケーキの切り方や重ね方などでもセンスを発揮している。
バーンサイドストリートカフェ
住所/東京都渋谷区神宮前4-29-9
電話/03-3403-0660
時間/9:30〜21:00、土日祝8:30〜21:00
休み/元旦