お酒が大好きという彼女を日本橋のとあるバルに招き、レモンサワーで乾杯! 音楽に対する想いから趣味や休日の過ごし方まで、彼女を取り巻く環境や人間関係をフィーチャー。飾ることのない等身大の彼女が見えてきました。
歌詞のネタは普段の生活や友達の話から
ライター上野
こういうところにお酒を飲みに来ることはあるんですか?
関取
ありますあります、休日は基本「食べるか寝るか飲んでるか」なんで(笑)。
上野
じゃあ、若者のお酒離れが進んでるっていうけど、そんなことはない?
関取
全然ないです! 仲の良い友達もめちゃめちゃ飲む子ばかりなんで、友人と集まるときは、みんなそれぞれがボトルを1本ずつ持ち寄ってホームパーティーしてます。もちろんボトルは全部空になる(笑)。
関取
この間遊びに行った友達の冷蔵庫を開けたら、お酒と割りものの炭酸水と、納豆と栄養ドリンクしか入ってなくてさすがにビビりましたもん(笑)!
上野
でもその冷蔵庫になる気持ち分かる!
お酒を飲みたいけど、美容と健康も気になる、みたいなね(笑)。
関取
やっぱり仕事と最近の恋愛事情が多いですよね。友人たちはこの辺りで働くOLさんたちなので、会社でのおもしろい話をいろいろ教えてくれるんですよ。
関取
隣でパソコンしている上司のエンターキーの押し方がやたらうるさくて仕事に集中できないとか(笑)。
関取
そうそう。どうでもいいんだけど、やたらリアリティがあっておもしろいんですよね。私みたいな仕事をしてると、そういうネタがないじゃないですか。会社のお局さんにも出会えないし…(笑)。
上野
確かに(笑)。それが“ひがみソング”のネタになったりもするんですか?
関取
ありますね。彼女たち自身「全部ネタにしていいから!」といって、いろいろ話してくれるので(笑)。
畔地
そもそもひがみソングを作ろうと思ったのは何かきっかけがあったんですか?
関取
いや〜あれは、作ろうと思って作ったというより、アルバムの中のネタ曲的な位置づけで、30分くらいでパパッと作ったのが、なぜが思いの外売れてしまったという…。
上野
パパッと作れるのがすごい! 「べつに」に出てくる駅の構内でいちゃつくカップルの話みたいに、普段から街の人たちをよく観察してるんですか?
関取
ネタのためということはないけど、一人で街に出かけるときとかは、無意識に観察しちゃってることはあるかも。あと喫茶店で隣に座った人の会話に聞き耳を立てたりとか。
関取
この間新宿の映画館の前を通ったら、「何それヤバ〜イ、尊〜い!」とかって言ってる女の子の集団がいて。おっこいつらはおもしろそうだぞっと思ってさりげなく近づいていったんですよ。
関取
そしたらなんと、いつも遊んでいる自分の友人たちで(笑)。
一人で過ごす時間も大切 その時間に吸収したものが歌詞に生きている
関取
一人大好きですね! 誰かと一緒にいるのがいやなわけじゃ全然ないんだけど、一人でなんでも事足りちゃうんですよね。ちなみに最近は、休みになると一人で井の頭公園に行って、スワンボートを漕いでます。
上野
一人で? それは作詞作曲をするためとかじゃなくて?
関取
ではなく(笑)。本当はジムに行ってエアロバイクとかマシーンを漕ぎたいんだけど、ジムに行くとお金がかかるじゃないですか。
畔地
それでも、ジムじゃなくてスワンボートなんだ!
関取
公園なら自然もあるし、建物の中でエアロバイクを漕ぐよりも、健康的じゃないですか。
関取
でも普通のエアロバイクより結構効くんですよ!
おすすめですよ、スワンボートダイエット!
関取
そんなこんなで一人遊びが得意だから、友達に待ち合わせとか遅刻されても全然平気なんですよ。
上野
それ結構分かれますよね。
5分でも遅刻されたら嫌だって人もいる。
関取
全然平気です! 2時間あったら街をぶらぶら探索したりすると思う。
関取
30分だったら本屋さんに行くかな? 本屋さんに行って女性誌全部読んだらだいたい30分(笑)。
上野
すごい、時間の使い方分かってる! 雑誌が好きなんですか?
関取
好きですね〜。特に自分の実際に着るファッション以外のジャンルのファッション誌を読むのが好きです。ギャル誌とか。
関取
世代的にギリギリ世代じゃないんですけど、十代のときは時代に抗ってギャルをやろうとしてたこともありました(笑)。それに、ギャル誌を見るのって楽しいんですよ! 表紙でYouTuberを使ってたりとか、けっこう新しい発見がある。
関取
全然ただの趣味です。でも、自然と蓄積されているものはあるのかもしれないですね。
上野
雑誌で見たおもしろい情報をメモしておいたりはしない?
関取
基本的にネタ帳は作らないですね。以前作ってみたこともあるんですけど、全然使わなくて。結局、ネタ帳に書かなくても頭に残ってるものが、曲や歌詞にしたいものなんだと思います。
関取
普段から書き溜めるというよりは、書く日を決めて書くタイプ。そのときに日常で起きたことや感じたことを振り返って、記憶に強く残っていることを書き出している感じかな。
畔地
どんなことが記憶に残っているのか、気になります。
一人遊びが得意だから、他の人よりも鮮やかに、日常の何気ない景色や街の姿が見えてくる。彼女の生みだす音や言葉の数々は、そうした背景があるのかもしれない──。後編では、さらに彼女の日常の話を交えながら、音楽に対する想いについて伺いました。
Written by Mai Ueno
Photos by Naomi Muto
関取花 せきとり・はな
1990年、神奈川県生まれ。バラエティ番組中心に持ち前の明るいキャラクターが話題となる一方で、楽曲『もしも僕に』が評判となり爆笑問題の二人が絶賛するなど注目を集めた。
今年はNHK「みんなのうた」への楽曲書き下ろしやフジロック等の多くの夏フェスへの出演、初のホールワンマンライブを成功させるなど活動の幅を広げ続けている。
ホームページ
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