お客様相談室よくあるご質問とその答え「焼酎まめ知識編」
よくあるご質問とその答え「焼酎まめ知識編」
A1.焼酎の「焼く」という文字は、モロミを加熱、沸騰させてつくるという蒸留酒の基本的な作業をさしています。これは、漢字を用いる中国や日本に限らず、西欧でも蒸留酒を指す言葉に「焼く」という意味の言葉を使うことがよく見られます。例えば、ワインの蒸留酒であるブランディは、焼いた、燃やしたワインという意味の「Burn Wine」が訛ってブランディと呼ばれるようになったとされています。漢字の本家である中国でも、「焼いた」お酒という意味で蒸留酒を「焼酒(シャオジュウ)」と表現しています。日本では、長い間「焼酒」と「焼酎」が混用されていたようですが、18世紀ごろから「焼酎」という表現が定着したとされています。なぜ「酒」が「酎」になったのか、その理由は定かではありませんが、一説によると「酒」は中華音で「チュウ」と発音されているところから、日本では字義と音訓を混同して使われるようになり「焼酎」が定着したのではないかと言われています。
A2.焼酎は、アルコール発酵したモロミを加熱、沸騰させて、アルコールに富んだ蒸気を冷却して回収した「蒸留酒」の一つで、日本で古くから楽しまれているお酒です。「蒸留酒」の仲間には、ウイスキーやブランデー、ウォッカ、ラムなどがあります。
A3.酒販店には、様々な焼酎が並んでいますが、いずれも見やすいところに「焼酎甲類」とか、「焼酎乙類」などの種類が表示されています。これは、昭和28年に現行の酒税法が制定された時に、焼酎に「甲類」「乙類」という二つの区分が設定されたことによるものです。この二つの区分は、主に製法上の違いによります。また、製法が異なることで、お酒の持つ風味、楽しみ方にも違いがあるといえます。
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- (焼酎甲類)
- 焼酎甲類は、「連続式蒸留機」でつくった純度の高いアルコールを、水で36度未満に薄めてつくられる焼酎です。「連続式蒸留機」は明治時代にヨーロッパより導入されました。これにより、それ以前の伝統的な製法では、不可能であった高濃度で不純物をほとんど含まないアルコールの抽出が可能となりました。こうして出来る甲類焼酎は、すっきりとしていてクセがなく、ロックはもちろんお茶やジュースなどお好みの飲料で割って飲んだり、果実を漬けたりと、自由な楽しみ方ができます。また、割ることでアルコールの濃度を調整し、自分にあわせた飲み方ができるので、多くの方がいっしょに楽しめるお酒といえます。「JINRO」もこの焼酎甲類の仲間です。
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- (焼酎乙類)
- 焼酎乙類は、「単式蒸留機」で蒸留したアルコール分45度以下のものを指し、「旧式焼酎」とも呼ばれ、古くからつくられている伝統的な焼酎です。原料を麹を使って糖化し発酵させたものを、単式蒸留機で一度だけ蒸留します。そのため、原料の風味が焼酎にあらわれます。主原料となるものは、米、麦、いも、そばをはじめ、最近ではシソやじゃがいも、ごまなど実にバラエティに富んでいます。飲み方はロックやお湯割りなど、焼酎本来の味を楽しめる方法が一般的となっています。