凍てつく寒さが身に沁みはじめる季節。もう少しすると、北海道の阿寒湖で神秘的な絶景「アイスバブル」が見られる。「アイスバブル」とは、湖底から湧き出たガスが氷に閉じ込められたもの。湖の深く、光が届かないところまで、いくつものバブルが浮いている姿はまるで宇宙をのぞき込んでいるようです。
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日の出前に、阿寒湖に到着。夜が明けるのを寒さに耐えながらひたすら待つ。
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この日は抜群のコンディション。雪が降るシーズンに入ってしまうとこの湖面は見られなくなるので、積雪の少ないわずかな期間がベストタイミング。
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積雪がある場合は、湖面の雪を払えば、そこは無数の星がきらめく宇宙のような世界。
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泡のひとつ、ひとつに個性があって、正円のものもあれば、いびつなものも。
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幾重にも重なる泡は唯一無二の存在だと実感する。
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北海道・釧路市から車で1時間30分。北上したところに阿寒湖はある。
アイスバブルが見られる季節は氷の厚さもまちまち。初めて見に行く際はぜひ現地のガイドツアーに参加を。
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雄阿寒岳に抱かれた阿寒湖。冬の間、湖は凍結する。最低気温は-20℃~-10℃の世界。防寒対策も怠らずに。そして、絶景を見るためには寒さと戦う覚悟が必要だ。
Photo by Kei Otani
大谷 景さん
自然写真家。北海道を拠点に手付かずの自然の撮影を続けている。
2014年から本格的に風景写真の撮影を開始。独学で撮影技術、海外の現像技術を学び、現在はドローンによる空撮や冬季山岳地帯の撮影など、より原始的な自然を求めて撮影のフィールドを広げている。